そもそもエッジコンピューティングとは

エッジコンピューティングとは端末周辺でデータの処理を行うシステム、あるいはそうした環境のことである。例えば人の移動を検知できるセンサーやカメラといった端末でデータを収集し、そのデータをその場で処理するシステムなどが該当する。

現在の高度情報化社会ではクラウドコンピューティングが急速二発達している。これは各端末によって収集されたデータがクラウド上の一か所に集められ、一元化された形で処理を行う形となっているからだ。膨大なデータを一括して扱うことで市場の動向、人・モノの動き、人間の嗜好などを割り出すことが可能である。

したがって、エッジコンピューティングの方が扱う情報・データの量が少ない状況で処理を行えるのだ。その一方で得たデータをその場で処理する環境になっているのでリアルタイムで処理しやすく、迅速な判断・分析が必要なシチュエーションで非常に適しているといえる。クラウドコンピューティングのようにデータを一度クラウド上にアップロードしたうえで分析・処理を行う必要がないのでスムーズな対応が可能なのだ。そのため車の自動運転など、常にリアルタイムでの処理が求められる分野においてエッジコンピューティングの概念・技術が積極的に用いられるようになっている。

このようにエッジコンピューティングは扱う情報が膨大になっている現代社会だからこそ、あえて扱う情報量を限定することで迅速・正確な処理・分析を行うために必要とされるようになったというわけだ。高度情報化時代が到来する前は基本的にエッジコンピューティングと似た形でデータの処理を行っていたことを考えると「時代がひと回りした」とも言えるかも知れない。